ノミ
ノミは春から秋にかけて発生しやすくなります。13℃以上で繁殖し始め、約20~30℃で繁殖サイクルが活発化します。夏場は条件によっては卵から孵化してまた卵を産むまで、最短2週間とかなり短い期間で繁殖してしまいます。
ノミに寄生されることで引き起こされる病気
ノミによるアレルギー反応で激しい痒みを伴う皮膚炎を起こします。また、大量のノミに吸血されることにより、貧血を起こす可能性もあります(子犬は特に要注意)。 サナダムシが寄生しているノミが、わんちゃんやネコちゃんの身体に寄生し、そのノミをグルーミング等して口にしてしまうことでサナダムシが体内に入り込みます。サナダムシが体内に入り込むことによって、下痢や嘔吐などの症状が引き起こされます。
ノミを見つけたら?
絶対に潰さないでください(メスの体内にある卵が飛び散る危険性があります… )。
ノミを見つけたら駆除薬を処方してもらい、駆除してください。
セルフチェック
□ 体をやたらと掻いている
□ 前歯で体を噛んでいる
□ 肌に赤く点々が出ている
□ 黒いフケ状の塊(ノミの糞)がある
□ 皮膚が炎症している
□ 脱毛している
一つでも当てはまればノミに寄生されている可能性があります。
確認してあげて見つけた際はかかりつけの動物病院に相談しましょう。
マダニ
マダニは草むらや公園、河川敷などに生息しています。『ハラー氏器官』と呼ばれる感覚器官で動物を感知することができ、遠くからでも飛び移り、寄生する恐ろしい生き物です。
マダニに寄生されるとダニと同様、皮膚炎や貧血などを引き起こします。ダニと違う点は、マダニが運ぶ病原体で感染症になる可能性がある点です。
代表的な感染症ですと、「バベシア症」 「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」などがあげられます。
バベシア症
バベシアは、保有するマダニが吸血する際、唾液と共に動物の体内に侵入し、約2週間潜伏した後発症します。症状としては、貧血や毛づやが悪くなる、黄疸、食欲不振、発熱などが見られるようになります。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
SFTSは保有するマダニに吸血されることで感染します。SFTSウイルスは感染から6日~2週間潜伏、その後発症し、発熱・食欲低下・嘔吐・下痢などの症状が出始めます。
2017年4月、和歌山県で世界初のSFTS発症ネコが確認されました。また同年6月、徳島県で世界初のイヌの発症も確認されています。
(国立感染症研究所:IASR Vol. 37 p. 50-51: 2016年3月号より)
バベシア症、SFTSはともに『人獣共通感染症』と呼ばれ、犬や猫が感染し、そこからオーナーが感染してしまうケースもあり、最悪の場合死に至る恐ろしい感染症です。散歩から帰ったあとなどは、注意して見てあげてください。
マダニが寄生する場所
マダニを見つけたら…
吸血中のマダニはセメントの様な物質を分泌し、動物の皮膚にしっかりと咬みついています。無理に取ろうとすると口器だけが皮膚の中に残ってしまい、化膿などの原因となるので注意しましょう。
マダニを見つけたら動物病院に行き、駆除薬を使って駆除してくださいね